「がんは遺伝子がコントロールを失い暴走した状態である」
これはどういうことでしょうか?
これを語るには、がん細胞がどんな特徴を持っているかを考えてみる必要がありそうです。がん細胞がもつ特徴は大きく二つあります。それは『不死』と『増殖』です。
正常な細胞は長くても半年ほどでその一生を終え、自ら死んでいくようにプログラムされています(アポトーシス)。しかしがん細胞は死ぬことはなく、正常な細胞に必要な栄養を奪い、いつまでも生き続けます。そして臓器や他の組織に至るまで増殖を繰り返し、深刻なダメージを与えていってしまうのです。
正常な細胞は自ら死んでいくことと、必要に応じて細胞を増やすことと止めることがコントールされています。しかし、がん細胞はそのコントロールを失ってしまっているのです。
それはまるでアクセルとブレーキが壊れた車だと言えるかもしれません。
近年その研究が進み、効果を上げている遺伝子治療は、そうした遺伝子のコントロールを正常な状態に戻してあげようとするものです。もともと人が宿しているものですから、副作用がほとんどないという大きな利点があります。
国内でも遺伝子治療を取り扱う医療機関が増えつつありますから、今後のがん治療を大きく変えるかもしれません。
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